抄録
培地に添加したオキシトシンがマウス1細胞期胚の発生に及ぼす効果を検討した.卵丘細除去胚を10-14~10-4Mオキシトシン添加培地で培養した結果, 10-10M区の発生率は対照に比べて有意に増加し, 10-4M区の発生率は低下した.しかし, 卵丘細胞付着胚の発生には, オキシトシン添加の効果はほとんど認められなかった.さらに, 10-1Mオキシトシンの添加効果と顆粒層細胞との共培養の効果を比較した結果, 2細胞期から拡張胚盤胞期への発生率には, 両区の間に差は認められなかったが, 共培養区ではオキシトシン添加区に比べて胚盤胞期の細胞数が有意に増加した.また'共培養区へのオキシトシン添加の効果は認められなかった.