哺乳動物卵子学会誌
Online ISSN : 1884-6513
Print ISSN : 0916-7625
ISSN-L : 0916-7625
PCR法による着床前ブタ胚の性判別の可能性
戸津川 清斉藤 英文岩崎 泰造吉川 奈美
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 11 巻 2 号 p. 182-188

詳細
抄録
PCR法を用いて, 体外受精一体外培養した着床前豚胚の性判別を行なった. PCRに用いたプライマーは哺乳動物のSRY保存領域を基に作成した. 使用したセンスプライマーは5'-GTCAAGOGACCCATGAACGC-3'(20mer) で, アンチセンスプライマーは5'-CTGTGCCTCCTGGAAGAATGGC-3'(22mer) であった. 雄特異的DNAバンドは165bpで検出された.体外受精卵の33%において'雄特異的DNAバンドが検出された. 16-細胞期から胚盤胞期の胚を検体とした時, 供試胚の46.6%において雄サンプルで得られたものと同様なバンドが得られた. 得られたDNA断片をダイレクトシークエンス法により塩基配列決定を行った結果, ウサギ及びマウスSRY保存領域とは約75%, ヒトSRY保存領域とは85%以上の相同性があることが確認された.
著者関連情報
© 日本哺乳動物卵子学会
前の記事 次の記事
feedback
Top