徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
症例研究
L1圧迫骨折後の腰椎伸展・回旋症候群の症例
諸谷 万衣子
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2022 年 22 巻 1 号 p. 45-50

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抄録

本症例報告では,Movement System Impairment diagnostic system(運動系機能障害診断システム:MSI診断システム)における肩関節患者の診断・介入の一例を示す。患者は25歳女性プロのクラリネット奏者で,5週間前にジムでオーバーヘッドプレスの最中に右肩本症例報告では,Movement System Impairment diagnostic system(運動系機能障害診断システム:MSI診断システム)における腰痛患者の診断・介入の一例を示す。患者は69歳の女性で,2ヵ月前に脚立から転倒しL1圧迫骨折のため腰痛を患っていた。系統的な運動検査を通して,運動初期のタイミングで起こる過剰な腰椎伸展・回旋動作が腰痛を悪化する原因で,MSI診断名は腰椎伸展・回旋症候群とされた。訪問治療とテレヘルスの治療を合わせて,腰椎伸展・回旋を防いだ基礎的なエクササイズおよび機能的動作の指導による介入を行った。週1–2回,5ヵ月間の理学療法介入で,患者の症状は大幅に軽減し,圧迫骨折受傷以前の活動レベルに復帰できた。初診では立位保持時間は10~15分であったが,買い物や園芸や趣味のテーブルセッティングも症状を悪化せず行えるまで改善した。

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© 2022 日本徒手理学療法学会
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