徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
症例研究
脊髄症を呈した脊椎固定術後症例に対する理学療法を実施した一症例
中村 拓海山田 郁朗来間 弘展
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2022 年 22 巻 2 号 p. 87-95

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抄録

〔目的〕胸腰椎圧迫骨折後,遅発性脊髄障害を呈した症例に対し,手術後に徒手療法,スタビライゼーションエクササイズおよびバランス訓練を行い,自宅退院に至った症例について報告することを目的とした。〔症例紹介〕症例は脊髄症,胸腰椎圧迫骨折,脊柱管狭窄症の診断を受けた男性である。主訴は両下肢の脱力,腰背部・両下肢の痛み,両下肢の痺れであった。手術は脊椎固定術,除圧術を行い,術後6日目より理学療法を開始した。〔クリニカルリーズニング〕筋力,神経伸張テスト,痛みの評価からL1-S2領域の筋の運動麻痺および神経症状と判断した。〔結果〕両下肢の痺れと腰背部痛は軽減し,杖歩行が可能となり自宅へと退院した。〔結論〕本症例に対して行った治療プログラムは両下肢の麻痺や痛みによって神経症状が出現し,体動困難になった症例に対する術後の理学療法の一つとして提案できる可能性がある。

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© 2022 日本徒手理学療法学会
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