徒手理学療法
Online ISSN : 2434-4087
Print ISSN : 1346-9223
研究論文
足関節・足部骨折後の足関節背屈可動域に対する関節モビライゼーションの効果
―システマティックレビューおよびメタアナリシス―
越野 裕太石田 知也石田 和宏
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2023 年 23 巻 1 号 p. 11-17

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抄録

〔目的〕本論文の目的は,足関節・足部骨折症例に対する徒手療法が足関節背屈可動域に与える効果を,システマティックレビューおよびメタアナリシスによって明らかにすることとした。〔方法〕5つのデータベースを用いて2022年7月までの論文を検索およびスクリーニングを行い,足関節・足部骨折症例に対する徒手療法の介入が足関節背屈可動域に与える効果を研究した無作為化比較試験を特定した。背屈可動域への効果を徒手療法群と対照群で比較するためにメタアナリシスを実施した。〔結果〕3つの論文が採用され(計172名),介入内容は関節モビライゼーションが主だった。背屈可動域への効果に関して徒手療法群と対照群に有意差を認めなかった(標準化平均差 0.05; 95%信頼区間 -0.50, 0.60)。〔結論〕足関節・足部骨折症例に対する関節モビライゼーションは背屈可動域の有意な改善効果を認めなかった。今後質の高い研究が必要であると考えられた。

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© 2023 日本徒手理学療法学会
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