2025 年 25 巻 2 号 p. 59-65
本稿では整形外科クリニックに勤務する理学療法士が多施設間横断研究による日々の臨床で抱いた疑問を研究として形にするまでの過程,および,その際に工夫した具体的な実践例を紹介する。多施設間研究は,サンプルサイズの確保や外的妥当性の向上といった利点がある。一方,診療体制の違いや倫理的手続きなど,現場で乗り越えるべき課題も多い。著者の実践した研究は全国6施設の協力のもと,自己記入式質問紙や統一マニュアルの活用により,現場の負担を抑えつつ研究の再現性を確保した。本稿は,理学療法士が主体となって多施設間研究を実践するための方法だけでなく,臨床現場からの発信がもたらす意義を共有したいと考えている。