MACRO REVIEW
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研究ノート
ネパールの大地震からの災害復旧-政治・民族・経済的制約要因-
廣畑 伸雄
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2017 年 29 巻 1 号 p. 5-8

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抄録

ネパール大地震は、2015年4月25日に、同国の首都カトマンズ市に隣接するガンダギ県を震源地として発生し、マグニチュード7.8を記録した。その後も余震は続き、5月12日にはマグニチュード7.3の地震が発生した。カトマンズ盆地はもともと地盤が軟弱であり、レンガ積みなど耐震性の低い脆弱な建物が多いことから、歴史的建造物を含む多くの建物が崩壊するなど甚大な被害を被った。また、死者数は8,460人と報告されている。このネパール大地震から2年を経過しているが、インフラの復旧、崩壊建物の除去・再建などの作業は遅れているのが実情である。本稿においては、この災害復旧作業が遅れている要因を、特に同国の、①政治問題、②民族問題、③地理的要因と経済問題などの総合的視点から明らかにする。

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© 2017 日本マクロエンジニアリング学会
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