MACRO REVIEW
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研究ノート
東日本大震災津波からのサケの資源回復状況と定置網漁業への影響
新田 義修
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2017 年 29 巻 1 号 p. 9-14

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抄録
東日本大震災津波により水産業を基幹産業とする沿岸地域では、サケの定置網やホタテ、カキ、ワカメなどで甚大な被害を受けた。特に、沿岸で行う定置網漁業の収益性がサケの水揚げ高の激減により悪化した。そこで、水産業の復旧・復興に関して農水省によって進められている「先端技術」の導入対象となる岩手県のサケの放流事業の現状と課題を明らかにし、今後の方向性を示した。主な結果は、サケの回帰率低下の傾向を過去のデータより予測すると1970年代の回帰率に近い傾向が見られた。そのため、「先端技術」の導入による放流事業の再構築によって回帰率向上が期待される。次に、定置網(漁業)の現状を整理すると、サケが基幹となる収入構造となっており、放流事業への「先端技術」の導入による回帰率の上昇が求められることが明らかになった。
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© 2017 日本マクロエンジニアリング学会
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