MACRO REVIEW
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人工漁場「開放型海洋牧場」の開発とその効果
木下 輝雄
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1997 年 10 巻 1 号 p. 63-68

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抄録
海洋において深層水の汲み上げを波力て行い、効率よく海洋生物の増殖促進を行う『海洋肥沃化ユニット』及びこの『海洋ユニット』多数を構成要素とする『開放型海洋牧場』の開発の構想を提示する。最大限産業廃棄物を利用するこの『海洋ユニット』は、波力を動力とする汲上げポンプ、汲上げ管、海中コーン等からなり、水深約500mの海中から冷深層水を汲み上げ、温表層水から吸熱と混合による冷深層水の昇温と表層への放水作動を漂流しながら行う。この結果、プランクトンの繁殖及び海中コーンに藻類の成育(一次性産)が発現し、これを基盤にする、魚類の増殖(二次生産)が招来される。さらに、『肥沃化ユニット』多数の集団による、海洋における魚類と藻類の収穫を持続的に行う新しい人工漁場『開放型海洋牧場』の創設とそれの世界の海洋における活動を最終目標とする。この『海洋牧場』創設及び活動は、二酸化炭素の固定と廃棄物の利用による排出低減による地球温暖化抑制及び持続可能な発展への一定の貢献をする。
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© 日本マクロエンジニアリング学会
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