MACRO REVIEW
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三峡プロジェクトに対する中国政府の環境配慮
玉山 昌顕
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1998 年 11 巻 1 号 p. 25-30

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抄録

1984年11月に四川省成都で国家科学技術委員会が三峡工程科研工作会議を開催し、三峡プロジェクト推進の重要な前提条件となる「三峡工程対生態と環境的影響及びその対策研究」を発足させた。1992年に8冊シリーズの「三峡工程小叢書」が水利電力出版社より出版された。本論文が報告する「長江三峡工程生態と環境問答」は、長江の本流が締め切られ第一期工事の完成直前に出版された。編集委員会は、環境問題全体を4層構造に分けている。第1層は、全体像であり影響評価の環境総体と称している。第2層は、大分類であり公衆の関心事問題、社会環境、自然環境の3分類である。公衆の関心事問題には、6項目が含まれ、社会環境には、8項目が含まれる。最後の自然環境には、最多の10項目が含まれる。すなわち、長江河口の生態環境、中流平原地帯湖水群の冠水と水面下の生態変化、ダム湖の堆積とダム下流河道主流に於ける堆積、水生生物、陸生生物、陸生植物と植被、環境地質、水温、水質、局地気候である。第4層の環境因子は、69因子に分解している。

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