本稿は、本誌Vol.9,No.1(1996)に掲載された「三峡ダム建設にともなう住民移転問題」の続編に相当する論文であり、主に1996,97年の住民移転の状況と問題点について検討するものである。 移住は農業を主とする「開発移住」方式であり、地域闢発の中で進めるという新方式である。開発移住にはモデルが幾つかあるが、著しく経済成長したモデルケースもある。問題点は、中央と地方双方の行政厠と住民側にあるが、行政側の問題点の方が重大である。現状から展望するならば、根本的には移住資金が確保されるか否かが移住の成否を左右する要因であろう。
抄録全体を表示