MACRO REVIEW
Online ISSN : 1884-2496
Print ISSN : 0915-0560
ISSN-L : 0915-0560
都市地域における潜在エネルギーと熱需要のエネルギー収支バランス
劉 庭秀安田 八十五
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 12 巻 1 号 p. 37-50

詳細
抄録

本研究は都市地域から排出される一般廃棄物を固形燃料化した場合の潜在エネルギー及び固形燃料の燃料化比率を分析した結果に基づき、大規模住宅団地のエネルギー需要と固形燃料の焼却施設から回収できるエネルギーの比較分析である。東京都品川区の八潮団地を基準ケースに想定してエネルギー需要・供給の収支バランスを分析し、化石燃料を利用する一般システムとの比較分析と様々な条件変化による感度分析を行った。 固形燃料は地域冷暖房システムの補助燃料、あるいは主熱源としての利用が可能であり、既存システムより良い効率を示すことがわかった。しかし、ピーク時のエネルギー需要を賄うためにはかなり大規模システムが必要であり、ケーススタディ地域のエネルギーを自給するために、RDF-335t/日相当の焼却が必要である。極端な大規模システム(或いは小規模システム)はエネルギー効率が低くなり、今回の分析ではRDF-100t~200t/日の規模が最も良い効率を示した。 ごみ組成に関しては事業系と家庭系一般廃棄物の混合処理が最も良い効率を示した。このようなエネルギー収支バランスの分析結果は、固形燃料システム導入の判断、環境影響評価及び社会的効率性を把握する基準及び基礎データとして利用できる。

著者関連情報
© 日本マクロエンジニアリング学会
前の記事 次の記事
feedback
Top