2000 年 13 巻 2 号 p. 55-63
中国は日本にとって最大の2国間援助供与国である。中国にとっても日本は最大の援助国である。日本の対中国援助は、両国の政治経済事情の変化を反映してさまざまな点で変貌を遂げつつあるが、近年の特徴としては環境案件が重視されていることが指摘できる。日本の援助政策は内外からさまざまな批判にさらされているが、中国の被援助国としての対応が分析の俎上に上がることは多くない。本稿では、日本の対中国環境援助を対象として、日本の政府開発援助の意義を再確認するとともに、被援助国としての中国の効率をも分析する。