MACRO REVIEW
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バイオエタノール生産の増加と砂糖価格の上昇
ブラジルのオランダ病の可能性についての一考察
茂木 創
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2006 年 19 巻 1 号 p. 49-56

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抄録

化石燃料である原油価格の高騰をうけて砂糖の価格が高騰している。これはポスト化石燃料と目されるバイオエタノールの主原料がサトウキビであることと無関係ではない。バイオエタノール輸出国であり、サトウキビ生産国でもあるブラジルは、それまで安価だった資源(サトウキビ)が新たな価値をもつことになり、そのためにオランダ病が引き起こされる可能性がある。環境問題解決は先進工業国がリーダーシップをとるべき問題かもしれないが、問題解決方法を決定する際には、他国経済への影響をも十分考慮すべきである。

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