特許権等の知的財産権が脚光を浴びているが,特許権を設定する特許制度の活性度は,一国の産業,経済の活性度を示す指標として意義がある。中国はその長い歴史にもかかわらず,専利(特許)制度は1985年に導入されたばかりである。しかし,中国専利局は急速に組織を整備し,出願件数も増加の一途を辿っており,規模としては先進国の域に達しようとしている。 日本は明治維新以後,急速に工業化の道を進み,今日では経済大国として繁栄を謳歌しているが,特許の面でも先進国の中で群を抜いた大国となっている。このような先例を踏まえて中国の専利制度創設後の状況と,社会主義体制の下での特許制度の特徴を展望する。また主要な外国とのデータの比較を行ないその位置づけを試みる。