MACRO REVIEW
Online ISSN : 1884-2496
Print ISSN : 0915-0560
ISSN-L : 0915-0560
中国の電気事業
大澤 悦治
著者情報
ジャーナル フリー

1992 年 5 巻 1 号 p. 41-47

詳細
抄録

中国の電気事業では電力不足,資金不足が深刻であり,電気の消費には割当制がとられている。また電力投資が不十分であるから経営効率の改善も遅れている。 このような背景の下で,電気事業は経済発展に必要な電力生産を充たし,さらに経常収支の改善,省エネルギーの推進などに寄与するため各種のインセンティブ対策が導入されている。統制価格としての電気料金に対しては,電力需給条件の変化に対応した弾力的措置がとられ,また内部留保が認められるなど,市場的要因を導入する対策が活発化している。しかし,家庭でもクーラーが普及し始めるなど電力消費が増加する中で,経営効率化の一層の推進,環境保全対策の充実などの要請を充たしていくには,海外からの技術移転,資金協力が不可欠と思われる。わが国でも,とくに電気事業において,技術面ならびに経営面の広範囲にわたる協調体制を確立し,それを効果的に実施していくことが求められている。

著者関連情報
© 日本マクロエンジニアリング学会
前の記事 次の記事
feedback
Top