気象集誌. 第2輯
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下部熱圏に於ける鉛直伝播する大気潮汐波によって誘導される平均流:第2部
宮原 三郎
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1978 年 56 巻 6 号 p. 548-558

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抄録

下部熱圏に於ける平均流の生成について,潮汐波,特に1日太陽潮第1モード(S11モード)並びに半日潮の第2対称モード(S42モード)による平均帯状運動量の誘導と伝達の観点から議論する。これらの潮汐波の振幅には理論,及び観測から得られている値を与えて,Miyahara(1978)と同様に初期値問題として数値積分を行う。
これらの潮汐波,•特にS11モードによって一60m/sec程度の強い東風が赤道上105km付近に誘導され,また同じ高度の中緯度に30m/sec程度の西風が誘導される事が示される。これは,観測による下部熱圏の平均帯状流分布(CIRA,1972)と良く一致している。この結果は,下部熱圏の平均帯状流が,下層で励起された大気潮汐波(特にS11モード)によって作られている事を示している。

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