気象集誌. 第2輯
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JMA•スペクトルモデルについて
金光 正郎多田 一正工藤 達雄佐藤 信夫伊佐 真好
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1983 年 61 巻 6 号 p. 812-828

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抄録
毎日の予報を目的とした12層半球スペクトルモデルを開発した。モデルの水平解像力は波数42の三角形切断であり,物理過程としては短波放射の日変化や雲の効果等をも含むほぼ完全なものである。
このモデルはルーチンモデルとして今年三月に採用されるまでに約一年間テスト使用され,当時のルーチンモデルである格子点モデルと比較された。この結果スペクトルモデルは色々な面で格子点モデルよりも優れていることが分った。この理由はスペクトル法の使用のみによるのではなく,解像度やイニシャリゼーション,解析などによるものである。
このモデルの有用な予報限界は5~6日である。モデルは中緯度傾圧波の急激な発達や台風の移動などをかなりの精度で予報することがでさる。
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© 社団法人 日本気象学会
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