抄録
夏季北半球における非軸対称高度場のテレコネクションを,一点相関図を用いて議論する。用いたデータは1963年から1979年までの17年間の夏の期間で,7月,8月の月平均値,即ち34個の時系列データである。相関図には,700mbまたは500mbの基点と700mbまたは500mbの地点とにおける非軸対称高度場の時系列データの相関係数が計算されている。本文では主として基点が低緯度でアジア大陸の東辺にある場合がとりあげられている。この場合には二つの型のテレコネクション図,即ち東西波数1~2の定常波によってひきおこされるものと,東西波数5~6の定常波によってひきおこされるものが得られる。後者の場合には,緯度45度の緯度円に沿って正,負の相関係数をもった波の列がみられる。またこれらのテレコネクション図と,亜熱帯地域の熱源によってひきおこされた定常波との関係も議論する。