気象集誌. 第2輯
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航行中の船体への着氷速度のマッピング
W. Paul ZakrzewskiRyan BlackmoreEdward P. Lozowski
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1988 年 66 巻 5 号 p. 661-675

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抄録

海洋上での船体着氷ポテンシャルの図示の方法についてのレビューがまず行われる。特に着氷の予報という観点からこの問題を取り上げる。
船体の上部構造物への塩分を含んだ海水の着氷成長についての新しいモデルが詳しく呈示される。このモデルによって,しぶきをあびる船体の前面の着氷速度が計算される。板を流れ落ちる水膜の塩分濃度や氷の粗度も考慮される。このモデルは入力データとして船の速度と方向,気温,海水の塩分濃度,海水の表面温度,風速および風の吹送距離を含む。このモデルを用いてカナダの東側の冷水域における船体着氷速度の分布が数値的に計算される。これらの最初の結果は,自動データ補捉システムが利用できる場合には,このモデルが船体着氷速度の恒常的な予報(あるいは過去の解析)に応用できることを示している。

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© 社団法人 日本気象学会
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