1988 年 66 巻 5 号 p. 703-708
日本上空(33~38°N)における対流圏および成層圏空気試料の採集を1978年から開始し,CF2Cl2,CFCl3およびN2Oの分析をGC-ECD法によって行った。
1986年11月における対流圏の平均体積混合比はCF2Cl2、が390ppt,CFCl3が238ppt,N2Oが308ppbであった。1979年1月から1986年11月までの期間,CF2Cl2は13.5ppt/年,CFCl3は9.5ppt/年の割合で増加していたが,N2Oも1982年12月から1986年11月までの期間,2.0ppb/年の割合で増加しているようであった。
下部成層圏(15~28km)におけるCF2Cl2,CFCl3およびN2Oの体積混合比は高度が増すとともに減少しており,その傾向は1次元光化学-拡散モデルから計算された高度分布によく一致していた。