気象集誌. 第2輯
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熱帯大規模場の観測的研究第2部:熱帯における気候資料解析のための最適内挿法改良スキーム
Sanga-Ngoie Kazadi
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1988 年 66 巻 5 号 p. 709-728

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抄録

格子点の気象要素の値を,力学的同化を川いずに,直接算定する,改良 OIM スキーム(ゼロ直接スキーム)を開発し,テストした結果データ網の粗な熱帯域でもうまく適用できることがわかった。
その公式化において,ランダムな経験誤差(観測誤差+小スケールノイズ)は,スキーム内で用いられる他の統計的パラメータのみならず,重み関数,内挿誤差,したがって格子点値そのものにも著しい影響を与えることがわかった。
各格子点値内挿のために有効な観測点は,場の統計的な特性の空間構造に合うようにつくられたアルゴリズムによって選択した。格子点での全誤差の,簡単で計算可能な式が与えられ,この誤差に対する低周波フィルターの有効性も示した。
これらの格子点値を用いた5年平均の季節平均値は,観測値および,熱帯の観測網のあらさを補完するためにさまざまなソースの資料を用いた既存の統計値と,非常に良い一致を見た。
さまざまなソースからの資料を用いるためのこの新しいスキームの一般化や,中高緯度の気候学的研究への応用,さらに数値予報の同化スキームにおける使用の可能性についても,解析のためのよりもっともらしい統計パラメータの算定をすることを念頭におきつつ,調べる。

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© 社団法人 日本気象学会
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