1989 年 67 巻 2 号 p. 221-230
北海道石狩湾上の降雪雲の特徴を、1983年、84年の2,3月の4ヶ月間のレーダーデータを用いて解析した。この解析では、降雪雲を、気圧配置によって、季節風型、季節風末期型および低気圧型に分けた。解析された要素は次のようなものである。レーダーエコー面積のサイズ分布、全レーダーエコーに対する強いエコーの面積比、エコー面積の時間変化、発達した個々のエコーの中心の位置、エコーの寿命等。解析の結果、石狩湾上の降雪雲のレーダーエコーは特徴的な性質を有することがわかった。すなわち、全ての降雪雲のエコーのサイズ分布は、対数正規分布を示し、エコーレベル2以上の強いエコーを示す面積比は約 40% であった。また、エコー面積は顕著な時間変動を示し、平野に侵入してきたエコーは、海岸線から数 10km で最大面積に達した。平均寿命1時間の降雪雲の平均エコー面積は約 25km2 であった。