昨今、幼児が生活や遊びの中で身のまわりの音を感じることの重要性が示されている。本研究は、幼児の「音」に対する探索的な活動の可能性を見出すこと及び保育現場における音楽表現の実践の有効性を検証することを目的とし、5歳児を対象に手作り楽器のワークショップを実践した。実践の様子から子どもと音のかかわりに着目をし、観察及び分析をした結果、子どもは楽器をつくる過程及び楽器で音を出す過程を通して、探索的に音とかかわりをもっていることがわかった。さらに、手作り楽器を使ってイメージを音にする表現活動においては、幼児が全身を伴って表現している姿が見られた。探索的な活動は、幼児の主体的な音楽表現を育む保育実践であることを考察している。