2024 年 30 巻 1 号 p. 75-88
真栄城(2005,2006)は、第1回~第27回大会、辻田ら(2011)は、主に第28回~第34回大会の日本内観学会大会一般演題の動向を分析し報告している。本研究はその後、第35回~第44回大会までの10年間の続報である。真栄城(2005,2006)、辻田ら(2011)との比較をしつつ動向を分析した。調査内容は、報告数、報告者数、報告者の所属の内訳などの形式的側面と、各報告の研究方法や使われた内観の種類、心理検査の種類、研究テーマなどの内容的側面である。また全44大会の報告数・報告者数をまとめ、今回は単独研究と共同研究数の調査も加えた。形式的側面では、共同研究の増加、女性の報告者の増加などが見られ、内容的側面では、実践報告、日常・分散内観を扱った研究の増加、内観の種類と研究テーマの多様化が見られ、時代の変化に合わせた新たな取り組みや工夫がなされていることが示唆された。