2019 年 38 巻 S06 号 p. 153-183
本論文では,平成28年熊本地震の震度7の揺れに襲われた益城町の目測調査を行った。その調査対象地区の7名が所有していた被害木造住宅の聞き取り調査を行って,7 棟の被害木造住宅の平面図を作成した。この被害木造住宅の平面図を基にして,益城町やその近郊で観測された強震動を用い,地震応答解析を行って,7 棟の被害木造住宅の1階地震変位応答量を定量評価した。 そして,調査対象区域の木造住宅の敷地内配置角度に着目して,熊本地震における木造住宅の被害に関する新しい被害評価指標を抽出して,益城町の木造住宅の被害に関する一つの考察を試みた。