抄録
降雪による災害のリスクを減らすため,複合気象計やディスドロメーター,XバンドMPレーダーのデータを用いて,積雪深変化と降雪粒子特性との関連を調べた。富山において降水量に対して相対的に雪が「積もった」ときには,落下速度が小さく粒径の大きい粒子が多く観測される傾向にあることが分かったが,気温や相対湿度の影響はほとんどないことが明らかにされた。 上空では,レーダー反射強度ZHやレーダー反射因子差 ZDR,偏波間相関係数 ρHV の値に幅を持つことが分かった。これらの結果から,樹枝状結晶や偏平な雪片といった降雪粒子の存在が富山における積雪深増加に寄与していると考えられる。