抄録
本研究では,避難する意思の有無や行政からの情報への依存度を各個人の「避難態度」と定義し,避難態度の形成要因について統計的な分析を行った。一定程度必ず存在する逃げようとしない人や行政からの情報提供に頼らない方にはそれなりの理由があり,空振り避難や避難所経験の苦痛などの経験やその他の属性に大きく依存しているものと考えられる。平成30年7月豪雨災害による影響を受けた西日本地域の3000人を対象とした分析の結果,立地条件や空振りの影響などを含めた50近くの指標が態度分類に与える影響,避難発令情報と態度別の避難行動の関係,避難者数の予測結果の精度等が明らかとなった。