抄録
災害時の情報集約を目的に,災害情報システムが各機関に整備されている。しかし,これらのシステムは,各機関が個別に整備したため,情報を統合することが困難である。現在は,こうした異なる機関の情報を,ISUT(Information Support Team)が,集約して統合管理しているが,大規模災害において,すべての災害情報を整理することは不可能である。本稿では,異なる機関のシステムを連接する方法として,相互運用に注目する。令和元年東日本台風(台風第19号,ヒンギス)の災害対応において,青森県の対口支援チームが,把握した被害情報を相互運用により接続された災害情報を活用して,他の機関に提供することを実現した。これにより,相互運用が対口支援において,機能し得ることが確認できた。