抄録
南海トラフ地震発生時には,淀川に近接する事業所から化学物質が漏出し,淀川に流出する可能性がある。その化学物質が津波の河川遡上に伴って拡散し,浄水場に流入することによる取水障害が問題として挙げられる。本研究では,三次元密度流解析手法を用いて巨大津波発生時の淀川における化学物質の挙動解析を実施し,取水への影響を検討した。解析の結果,取水に影響を及ぼす可能性があることを定量的に示した。さらに,複数条件で化学物質の挙動解析を行い,様々な要因によって挙動が変化することを明確にすることで,同解析手法の有用性を示した。