自然災害科学
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年間特集
2011年東日本大震災における地盤災害から得た教訓
安田 進
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2021 年 40 巻 3 号 p. 275-288

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抄録
2011年東日本大震災で液状化が発生した範囲が東北地方から関東地方にかけて大変広かった。地震後の研究によると地震動の継続時間が大変長く引き続き余震も発生したことが,このように広い範囲で液状化した原因であることが分かった。多くの市街地では戸建て住宅の被害に加えて道路やライフラインも被災したため,生活が困難になった。そこで,復旧にあたって,将来の地震の際に地区全体が液状化しないように地下水位を下げるなどの対策が施された。丘陵地では,谷に盛土した造成宅地が盛土の法面のすべりや沈下によって甚大な被害を受けた。日本には同様な盛土造成宅地が多く造られてきているため,それらの将来の地震時における安定性が現在点検されている。
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© 2021 日本自然災害学会
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