自然災害科学
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年間特集
東日本大震災以降のインフラ被害と南海トラフ巨大地震への備え
清野 純史
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2021 年 40 巻 3 号 p. 289-298

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抄録
水道,電力,ガス,通信や道路,鉄道等は我々の生活に欠かせない重要な社会基盤である。本稿では,2011年の東日本大震災以降の被害地震に着目し,インフラ被害を中心に人的・物的被害についてその概要を述べる。ここで取り上げた地震は,2011年東北地方太平洋沖地震,2016年熊本地震,2018年大阪府北部の地震,および2018年北海道胆振東部地震である。地震国の日本では内陸・海洋を問わずいつどこで地震が発生してもおかしくないため,あらゆる手段 を講じて災害低減に取り組まなければならない。来たるべき南海トラフの巨大地震に対して,東日本大震災から得た教訓は災害低減のためにこの上なく有用な資源となり得る。これらの貴重な経験と近年の先端知識・技術を背景に,今何ができて何がなお残されているのか等,今後の課題について述べる。
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© 2021 日本自然災害学会
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