火山噴火時には,降灰後の降雨によって土石流が発生する危険性が高まるため,緊急調査を実施する必要がある。しかし,火山活動が活発な状況下では,土石流発生域への立ち入り自体が困難になる。そのため,火山地域における防災システムの高度化のためには,地形情報に基づいて侵食発生地域を特定できる方法の確立が必要である。本研究では,深層学習によって桜島の侵食地域発生予測モデルの構築が可能かどうかを明らかにすることを目的として,構築された予測モデルの精度について定量的に議論した。その結果,100m×100mの範囲の傾斜とラプラシアンを入力してその範囲が平均的に侵食傾向かどうかを出力する深層学習モデルを構築し,深層学習の結果に対してメディアンフィルタによる平滑化を行うことで,学習データを良好に再現することができ,精度や適合度も高い結果が得られることがわかった。