埼玉理学療法
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研究と報告
急性心筋梗塞急性期のリハビリテーションプログラムの検討-2週間プログラムと3週間プログラムにおける運動強度の比較-
丸岡 弘窪田 幸生柳澤 千香子押見 雅義加子 恵小仲 良平洲川 明久久保田 章仁
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2000 年 7 巻 1 号 p. 41-46

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抄録
心臓リハビリテーションにおける2週間プログラム(2 weeks exercise: 2 wex)または3週間プログラム(3 weeks exercise: 3 wex)の同一負荷内容における運動強度を比較し、両プログラムによる運動強度の違いについて検討することを目的とした。プログラムは、ベッド上受動坐位から開始して、立位、歩行、階段昇降の順で段階的に動作範囲を拡大する様に規定している。急性心筋梗塞患者122例(全て男性)を対象にして、負荷中の酸素摂取量や収縮期血圧、および心拍数を測定し、次の結果を得た。2 wexまたは3 wex実施中の代謝当量は、階段昇降負荷において有意差が認められた。また2 wexまたは3 wex実施中の二重積と収縮期血圧は、50 m負荷と300 m負荷において有意差が認められた。心肺運動負荷試験における無酸素性作業域値(anaerobic threshold: AT)と最高酸素摂取量においては、2 wexまたは3 wexの期間の違いによる有意差が認められなかった。以上の結果から、両プログラムによる運動強度の違いは、代謝当量では階段昇降負荷において差を生じ易く、また二重積や収縮期血圧では50 m負荷と300 m負荷において差を生じ易いことが示された。
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© 2000 社団法人 埼玉県理学療法士会
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