抄録
日本には111の活火山が存在し,火山噴火への対策が急務となっている。1707年の宝永噴火によって大きな被害を出した富士山噴火についての降灰分布予測計算を行った。降灰分布予測計算にはWRF-FALL3D 連携モデルを用いて季節ごとに宝永噴火規模の噴火を再現した。降灰分布予測計算の結果から,一般道や高速道路の復旧に必要な時間や対応に必要な車両などを定量的に検討した。その結果,富士山噴火時の降灰分布は季節ごとに特徴を有して,特に秋期に噴火が発生した場合には降灰軸が北東に向かって関東北部にまでに到達し,名古屋―東京を結ぶ高速道路に多大な影響が出ることがわかった。