2025 年 14 巻 2 号 p. 101-109
造血幹細胞移植患者におけるサルコペニア有病率と臨床的特徴を調査した。対象は当院血液科で同種造血幹細胞移植を実施した105名を解析した。サルコペニアの診断はアジアサルコペニアワーキンググループの診断基準2019を用い,握力,歩行速度,骨格筋指数から算出した。リハビリテーションは当院のクリニカルパスに従い実施している。サルコペニアは入院時12.4%,退院時27.6%に認められた。また,移植後の新たなサルコペニアの発症は19.6%であった。特に,女性,aGVHD発症,ステロイド治療,長期入院患者に多く認められた。移植患者のサルコペニアの現状を知ることは今後の治療,対策の一助になる可能性がある。