抄録
「ボランティア元年」として注目された1995年の阪神・淡路大震災をきっかけとして,災害ボランティアセンターが制度化された。また,1998年に特定非営利活動促進法が成立し,先進諸外国から相当に遅れてサードセクターが叢生した。災害対応を行うボランティアやサードセクターは「ある地域にたまにしか来ない」という災害の特性から,災害対応以外の分野と異なる制度的発展を遂げた。また,ボランティアやサードセクターの災害対応は,ヒエラルキカルに対応する行政とは異なり,状況に合わせて対応を最適化させる「コーディネーション」を通して実施され,災害のたびにその仕組みを洗練させてきた。