自然災害科学
Online ISSN : 2434-1037
Print ISSN : 0286-6021
論文
画像認識技術Grad-CAM を用いた豪雨災害時における住民避難行動の要因分析
高田 歩武髙木 朗義
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2024 年 43 巻 S11 号 p. 207-221

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抄録
これまで住民避難行動に対して多様な視点から分析が行われているが,豪雨災害による犠牲者は後を絶たず,住民避難に関する課題は依然として解決しているとは言い難い。筆者らは新たな試みとして,XAI(説明可能なAI)を用いて住民避難行動の要因分析を行っているが,行動モデルの推定精度などに課題を残している。また,これまでの住民避難行動分析では,ある一要因が避難行動に影響を与えるのかどうかを明らかにすることが多い。本研究では,アンケート調査データを画像データに変換し,畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いて住民避難行動モデルを構築することで,予測精度を向上させた。また,画像認識技術におけるXAI の一手法であるGrad-CAM を用いることにより,豪雨災害時における住民避難行動の要因分析を試みた。その結果,信頼している人からの避難情報の取得という取得手段,防災に関する情報の深い理解,非常用持出品の準備や家族との話し合いという災害前の準備にあたる要因の組み合わせが災害時に避難行動に影響を与える要因として明らかとなった。
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© 2024 日本自然災害学会
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