抄録
本研究では,線状対流系豪雨に対するPinpoint Seeding の有効性について検討するため,領域気象モデルWRF を用いて複数の実施条件における降水抑制効果に関する数値実験を行った。シーディング手法や実施条件の違いによる抑制効果の差異について検討を行った結果,上昇気流の強いグリッドを抽出しそのグリッドのみにピンポイントに実施することで最大積算降水量が約16.5%抑制されることや,シーディングの継続時間や実施高度が抑制効果に与える影響を明らかにした。また,シーディングによって氷晶や雪が成長することで過冷却水滴が減少し霰の成長が抑えられるオーバーシーディングにより降水が抑制されるメカニズムを確認した。