抄録
2023年2 月6 日,トルコ南東部においてMw7.8,Mw7.5の地震が発生した。東アナトリア断層上に位置するGolbasi では,液状化による建物の沈下や傾斜などの深刻な被害が発生した。液状化による建物の不同沈下は去の地震においても報告されており,近接する建物の荷重による影響が指摘されている。本研究では,Golbasi を対象として浅い基礎を有する建物が近接している場合の不同沈下挙動について考察する。また,建物の基礎の根入れ深さや重量の変化についても検討した。検討の結果,隣接する建物の距離が近いと, 2 棟の荷重による地盤内応力が干渉することで,内側の沈下量が外側よりも大きくなるため建物が内側に向かって傾斜し, 2棟間距離が大きくなると相互干渉は小さくなるため傾斜角も小さくなる結果となった。