抄録
本報告は,2025年8月6日~11日に熊本県で発生した豪雨災害に関する現地調査の結果であ
る。対象地域は,熊本県八代市,玉名市,上天草市,天草市である。本豪雨では,八代市西部
で累積降雨量646mmを記録したほか,広範囲で500mmを超過した。本稿では,対象地域の現
地調査に基づき,浸水痕跡から推定される浸水位や氾濫流の挙動について報告する。調査の結
果,各所で明瞭な浸水痕跡が確認され,玉名市中地区や上天草市松島町合津地区では90cm以
上の浸水深を計測した箇所も存在した。天草市では流木による祇園橋の橋脚阻害に起因する越
水被害が明らかとなった。今回調査した各地点では,概ね洪水浸水想定区域内であった。今後,
気候変動の影響によりこのような記録的な豪雨の増加が懸念される中,洪水浸水想定区域図が
被害予測や避難準備において引き続き有用性が高いと考える。