2008 年 2 巻 1 号 p. 50-55
【目的】Spinal arteriovenous metameric syndrome(SAMS)は広範な血管奇形のため一般に治療が困難である.SAMSに対し血管内塞栓術で良好な病状コントロールを得た症例を報告する.【症例提示】19歳男性,右上肢脱力と感覚鈍麻,右下肢痙性麻痺にて発症.血管奇形による根,脊髄症状と頸椎破壊性病変を呈するC2-5レベルのSAMSを診断した.【結果】症状緩和を目的に5回の血管内塞栓術を施行し症状は消失した.初回治療27ヵ月後の頸椎CTでは破壊された頸椎の骨新生を認めた.【結論】血管内塞栓術はSAMSの病状コントロールに有効で,脊椎破壊性病変の修復を進める可能性を有する.