Journal of Neuroendovascular Therapy
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症例報告
Fistulous pointに対するselective transarterial embolizationが有効であった海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻の1例
竹上 徹郎今井 啓輔梅澤 邦彦木村 聡志荻田 庄吾濱中 正嗣池田 栄人
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ジャーナル オープンアクセス

2012 年 6 巻 1 号 p. 51-55

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抄録

【目的】海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻に対して,fistulous pointに対するコイルを用いたselective transarterial embolizationが有効であった1例を経験したので報告する.【症例】30歳女性,眼球突出と眼球結膜充血を主訴に受診した.脳血管造影にて左海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻を認め,左accessory meningeal arteryが主な流入血管で,海綿静脈洞下壁外側に限局したシャント部位を形成していた.経動脈アプローチにてfistulous pointまでマイクロカテーテルを誘導して造影し,シャント部位がこの部分に限局していることを確認した後に,コイルを用いたselective embolizationを行い,シャントは消失した.新たな神経症状などは出現しなかった.【結論】海綿静脈洞部硬膜動静脈瘻においてシャント部位が限局しており,同部位までマイクロカテーテルを誘導できれば,本法は有効な治療法の一つであると考えられた.

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© 2012 特定非営利活動法人 日本脳神経血管内治療学会

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