抄録
【目的】脳神経血管内治療の利点として局所麻酔下に施行可能なことがある.一方,局所麻酔下での治療では,治療中に意識が保たれることから,患者への精神的な負担はより大きくなる.今回,病棟出棟から治療中の様子,帰室後までの実際の流れを動画とナレーションで説明するシミュレーションDVDを作成し,その有用性について検討した.【方法】2010年8月~10月の間,術前にシミュレーションDVDを視聴して脳神経血管内治療に臨んだ20例に対して不安に関するアンケート調査を行った.また,DVDを視聴せずに治療が終了した10例にもDVDを視聴してもらい,アンケート調査を行った.【結果】術前のDVD視聴によりすべての患者で脳血管内治療に対する理解が深まり,70%は視聴前後で不安が軽減していた.また,治療の具体的な手順が分かっていたことが不安解消に役に立っていた.提供を望む情報は,血管造影室の雰囲気や治療中の様子と局所麻酔とシース挿入,止血,安静等の痛みや不快を伴う処置に対する項目が主であった.【結論】シミュレーションDVDによる情報提供は,局所麻酔下に脳神経血管内治療を受ける患者の不安軽減に有用であった.