日本集中治療医学会雑誌
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調査報告
ICU看護師の冷罨法に関する意識調査
野口 綾子細川 康二志馬 伸朗橋本 悟中村 尚美
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2012 年 19 巻 2 号 p. 273-276

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抄録

【目的】冷罨法は患者安楽の目的で発熱患者に適用されてきた。しかし,解熱目的の冷罨法適用に議論が生じていることから,ICU看護師の冷罨法の適用と目的を調査した。【方法】7施設のICUに勤務する看護師を対象に半構成型質問紙にて調査した。【結果】197名より回答を得た。その結果,発熱の定義は37.5[37.15~38.0]℃(中央値[四分位範囲]),冷罨法の開始体温は38.0[38.0~38.5]℃であった。看護師の99.0%が冷罨法の手法に氷枕・氷嚢を選択し,85.1%が解熱効果があると回答した。開始基準は,患者の希望(78.6%)と体温の上昇(84.2%)であり,看護師の44.7%が鎮静レベルで適用基準は変えず,70.7%が感染症の有無によって適用基準を変えないとした。【結論】冷罨法の適用に際して,ICU看護師の知識と判断が不十分な可能性が示唆された。

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© 2012 日本集中治療医学会
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