2012 年 6 巻 4 号 p. 258-261
【目的】重複眼動脈を伴った眼動脈瘤に対してコイル塞栓術を施行した1例を経験したので報告する.【症例】74歳,女性.めまいの精査にてMRIを施行し,眼動脈瘤を指摘された.精査にて眼動脈は重複眼動脈であり,原始背側眼動脈および,原始腹側眼動脈が存在していた.我々は,原始腹側眼動脈を含め動脈瘤を塞栓し視野障害,血栓性合併症を含めた合併症なく,完全塞栓を得た.【結語】重複眼動脈に伴った眼動脈瘤は稀である.解剖や血行動態の理解が重要であり,血栓合併症を含めた合併症の減少に結びつくと考えられた.