抄録
【目的】鞍結節部に接して存在した破裂前交通動脈瘤に対してコイル塞栓術を行った1例を報告する.【症例】63歳,男性.頭部CTでくも膜下出血が認められ,同時に施行した3D-CTAで約3 mmの前交通動脈瘤が認められた.動脈瘤は小さく開頭クリッピング術を考慮したが,前交通動脈瘤は鞍結節部に存在し,頭蓋底骨により動脈瘤全体を露出するのは困難であると判断された.そのため根治術としてコイル塞栓術を選択した.【結論】鞍結節部に接する前交通動脈瘤の診断および治療選択において3D-CTAは有用であり,治療としてコイル塞栓術が適していると考えられた.