抄録
【目的】進行性脳梗塞を呈したpersistent primitive proatlantal artery(PPPA)の起始部狭窄病変に対してステント留置術を行い,術後plaque shift による内頚動脈狭窄を生じた症例を経験したため報告する.【症例】71 歳男性.一過性左片麻痺で受診.内科的加療中,進行性脳梗塞を認めた.DSA にて狭窄を伴ったPPPA を認め,動脈原性塞栓が病態の原因と考えられた.ステント留置術を施行し,良好な拡張を得たが内頚動脈にplaque shift を来してしまった.【結論】脳血管内治療ではplaque shift は稀な現象であるが,分岐部狭窄病変にステントを留置する際には術前のプラーク局在評価も重要になると考えられた.