2015 年 9 巻 5 号 p. 331-335
要旨: 【目的】ICA に造影剤をプールさせ,その透視画像を利用して CAS を行う direct road map 法を考案したので本法の有効性を報告する.【方法】MoMa の ECA と CCA のバルーンを拡張させ,MoMa からゆっくりと造影剤を注入しつつICA の PSGW を拡張させてICA に造影剤をプールさせる.この造影剤の透視画像をリアルタイムroad map として使用し CAS を行う.【結果】本法によりCAS を試みた7 病変中5 病変において有効性が示された.【考察】従来の road map では,デバイスの通過により病変血管の走行が著しく変位し,ステント留置位置の判断が困難となる症例に遭遇する.本法は ,貯留造影剤をリアルタイムにroad map とするためにデバイスの正確な位置決めが可能である.【結論】MoMa と PSGW を併用した direct road map は有用な方法と考えられた.