全国的に高齢者結核患者の割合が年々増加しており,その特徴から発見が遅れ,重症化し,死に至ることもあるため,重要な健康課題となっている.本県における2017年の高齢化率は31%,高齢者結核は78.3%といずれも全国を上回っている状況であり,そのうち結核死,結核に関連した死は全体の22%を占めていた.2017年度宮崎県結核登録票の二次利用分析で,記載項目から早期発見と重症化に関してすべての項目を検討した結果,診断の遅れと重症化には痩せ,発熱,心疾患の有無,介護サービスの有無,診断時の住まいに関連性がみられ,医療機関,高齢者施設への質問紙調査結果から,患者の結核情報や,地域の感染症情報を共有する枠組みの必要性が明らかとなった.そのため,現在作成中の地域包括ケアの一環である医療と介護福祉の連携シートに結核の既往歴,家族歴,検診の受診歴を追加することで,診療医における結核疑症例の注意喚起や医療,介護,福祉関係者への結核の意識向上,検診の受診勧奨に繋がり,早期発見,重症化予防になることが期待される.